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学習・あそび

二重振り子シミュレーター

ろうそくの灯る夜の書斎で、2本・3本つなぎのふりこが光で絵をかきます。

ためしてみる
調整する本数・長さ・重さ・はやさ・色・月の重力など
つなぐ本数
はやさ
見る向き
光の色
光の軌跡
はなし方(ぜんぶ)

二重振り子シミュレーターとは?

ふりこの先にもう1本ふりこをつないだ「二重振り子」は、少しの形のちがいで動きがまったく変わる、カオスの代表選手です。 このページでは、机の上に置いた3Dの振り子スタンドで、1本・2本・3本つなぎのふりこを、物理の式どおりに動かします。 先端のおもりについた光が、長時間露光の写真のように色を変えながら尾を引くので、ただ眺めているだけでも楽しめます。 「バタフライ効果」では、はじめの角度がほんの0.001°だけちがう振り子を重ねてはなし、ぴったり重なっていた振り子が、いつばらばらになるかを時刻で確かめられます。

使い方

使い方

  1. ながめる: 開いたときは、ろうそくの灯る夜の書斎で二重振り子が光の軌跡をかいています。下の「カオス」「真上から」「回す」「おまかせ」で、はなし方を変えられます。おもりを指(マウス)でつまんで好きな形に持ち上げ、はなすこともできます。
  2. 見る向き: 何もないところを横にドラッグすると、板の裏までぐるっと回りこめます(スマホは1本指で横に)。マウスのホイールや2本指のピンチ、+−のボタンで寄ったり引いたりでき、ねらった所へ寄っていきます。まとの形のボタンで正面にもどります。
  3. 写真: カメラのボタン(または机の上の写真機)で、暗い背景に光の線だけをかいた画像(PNG)を保存できます。
  4. ためしてみる: 「バタフライ効果」は、はじめの角度を少しずつ変えた振り子を5本・10本重ねてはなし、いつ分かれるかを時刻とグラフで見せます。「光で絵をかく」は、光の軌跡が消えずに残ります。「時間をもどす」は、来た道を逆にたどって、はなした瞬間まで巻き戻します。
  5. 1本にすると: ふつうのふりこになり、1往復の時間が表示されます。ふりこのきまりをくわしく調べるならふりこ実験シミュレーターへ。
  6. 調整する: つなぐ本数、棒の長さ(10〜50cm)とおもりの重さ(20〜200g)を1本ずつ、はやさ(スロー・ふつう・早送り)、見る向き、光の色と軌跡の長さ、明かり、月の重力、空気抵抗、エネルギーのグラフ、はなし方のぜんぶを選べます。

キーボードでは、スペースキーで一時停止、Rキーではなし直し、Bキーで時間をもどせます。

見どころ・小ネタ

  • 宙返り: 棒が真上をこえて1回転すると、スタンドの表示(↻)の数が増えます。
  • 一直線のきらめき: 全部の棒がまっすぐ一直線にそろった瞬間に、おもりがきらっと光ります。真上で一直線になるのは、めったに見られません。
  • エネルギーの棒グラフ: 高いところにあるほど大きい「位置エネルギー」と、速いほど大きい「運動エネルギー」が、たえずやりとりしています。摩擦がないとき、2つを合わせた長さはいつも同じです。空気抵抗をオンにすると、少しずつ短くなります。
  • きれいなゆれ: 二重振り子にも、カオスにならず、形をくずさずにゆれ続ける特別な形(基準振動)があります。同じ長さ・同じ重さの二重振り子では、下の棒が上の棒の約1.41倍(√2倍)の角度にふれる形がそれです。
  • 月の重力: 重力が地球の約6分の1になるので、動きは約2.5倍ゆっくりになります。形の変わり方そのものは地球と同じです。机の上の望遠鏡をのぞいても月へ行けます。
  • 時間をもどす: もどしているあいだは光の軌跡が銀色になり、来た道を逆にたどっていきます。はなした瞬間まで戻ると「ぴったりもどった」か「もどりきれなかった」かが出ます。長くカオスに動かしたあとでは、16けた目ほどの小さな計算の誤差がふくらんで、もどりきれません。
  • 夜の書斎の小物: ろうそく(さわると、ふっと消えてけむりが上がり、また灯る)、アーミラリ天球儀(23.4°かたむいた黄道の輪)、太陽系の模型(水星〜木星が本物の公転周期の比で回り、地球のそばを月が回る)、望遠鏡、蛇腹の写真機、オイルランプ(明かりがつく)、砂時計(30秒)、ローレンツの蝶の針金細工(さわると光の粒がたどる)、メビウスの帯、5つの正多面体、黄金らせんをかいた羊皮紙とコンパス、二重振り子のラグランジアンやオイラーの等式を書いた黒板、窓の三日月とオリオン座と流れ星。ねこは先端のおもりを目で追い、夜は目がろうそくの光を映します。
  • 板の裏側: 回りこむと、木の板の補強の桟とネジ、軸受けの中で1本目の棒といっしょに回る軸、焼き印や鉛筆の計算メモが見えます。

なぜ予測できないの?

二重振り子の動きは、ニュートンの運動の法則から導いた式で、1つに決まります。同じ形からはなせば、何度やっても同じ動きになります。 それなのに「予測できない」と言われるのは、はじめの形のほんのわずかなちがいが、時間とともに大きくなっていくからです。 「バタフライ効果」のグラフは、たて軸が10倍ずつの目盛りになっています。グラフがおよそまっすぐ右上がりになるのは、ずれが一定の時間ごとに何倍にもなっていく(指数関数的にふえる)しるしです。 このため、ずれを100分の1にしても、分かれるまでの時間は少ししか延びません。

このシミュレーターの計算方法

棒の重さを0、おもりを先端の点とみなし、i本目の棒の角度を θi(真下から右回りが正)、i本目より下の重さの合計を μi とします。 運動エネルギーは T = ½ Σi,j μmax(i,j) li lj cos(θi−θj) θ̇i θ̇j、位置エネルギーは V = g Σi μi li (1 − cos θi) です。 ラグランジュ方程式に入れると、角加速度 θ̈ についての連立1次方程式 M θ̈ = b(M は質量行列)になるので、これを毎回解きます。 時間の進め方は4次のルンゲ・クッタ法で、刻みは1/1000秒、速く回っているときは1刻みで回る角度が0.01ラジアンをこえないよう細かくしています。 二重振り子については、よく知られた角加速度の式とも一致すること、摩擦なしでは2分間計算してもエネルギーのずれが最大の位置エネルギーの100万分の1未満であることを確かめています。

よくある質問

二重振り子とは何ですか?
ふりこの先に、もう1本ふりこをつないだものです。1本のふりこは同じリズムで行ったり来たりしますが、2本つなぐと、ぐるんと宙返りしたり、急に向きを変えたりして、まるで生き物のように動きます。3本つないだものを三重振り子といいます。どちらも、物理の「カオス」を見せる代表的な実験装置です。
なぜ二重振り子の動きは予測できないのですか?
はじめの形のほんの少しのちがいが、時間とともにどんどん大きくなるからです(初期値鋭敏性)。二重振り子の動きは決まった式どおりに進んでいて、でたらめではありません。それでも、0.001°のちがいがやがて目に見える大きなちがいになるので、遠い先の動きを当てるには、はじめの形を無限に正確に知る必要があります。現実にはそれができないので「予測できない」のです。「バタフライ効果」モードで、角度が0.001°だけちがう振り子を重ねてはなすと、それを自分の目で確かめられます。
カオスとは何ですか?
きまりどおりに動いているのに、はじめのほんの少しのちがいがどんどん大きくなって、先が読めなくなる動きのことです。サイコロのような「でたらめ」とはちがい、同じ形からはなせば毎回まったく同じ動きをします。ちがうのは、ほんの少しでも形がずれたときです。二重振り子では、小さくゆらしたときはカオスにならず、大きくはなすとカオスになります。
天気予報とどう関係があるのですか?
大気の動きも、二重振り子と同じように初期値に敏感なカオスです。気象学者のエドワード・ローレンツは1960年代、天気の計算で途中の数字を少し丸めて入れ直しただけで、しばらく先の結果がまったくちがってしまうことに気づきました。「ブラジルで1匹のチョウがはばたくと、テキサスで竜巻が起こるか」という講演の題から「バタフライ効果」という言葉が広まりました。今の天気予報は、はじめの値を少しずつ変えた計算をたくさん行い(アンサンブル予報)、どのくらい当たりそうかも合わせて考えています。
計算は正しいのに、なぜばらばらになるのですか?
コンピューターは数字を有限のけた(およそ16けた)で計算し、時間も細かく区切って少しずつ進めるので、1回ごとに、ごくわずかな誤差(丸めの誤差や、区切って進めるための誤差)が生まれます。ふつうの動きならこの誤差は小さいままですが、カオスでは小さな差がどんどん大きくなるので、やがて目に見える差になります。このシミュレーターの「時間をもどす」は、すべての速さの向きを逆にして、来た道を逆にたどらせるボタンです(物理の式は時間を逆にしても成り立つので、これでちゃんと巻き戻ります)。少しだけ動かしてからもどすと、はなした形にぴったり戻りますが、カオスな動きを長く続けてからもどすと、途中から元の道をたどれなくなります。これも同じ理由で、計算がまちがっているのではなく、カオスの性質そのものです。
どうやって計算していますか?
棒は重さのない細い棒、おもりは先端の点とみなす、物理の教科書でよく使われる模型です。ラグランジュ方程式(エネルギーから運動方程式をつくる方法)で、1本・2本・3本をまとめて表せる一般の式を立て、毎回「質量行列」を使った連立方程式を解いて角加速度を求めています。それを4次のルンゲ・クッタ法で、1/1000秒(速く回るときはもっと細かく)ずつ進めます。摩擦がないときは全体のエネルギーが保たれることを、検算用のプログラムで確かめています。
授業や自由研究で使ってもいいですか?
はい、ご自由にお使いください。インストール不要で、ブラウザだけで動きます。小学校では「ふりこの運動」の発展として、中学・高校ではエネルギーの保存(位置エネルギーと運動エネルギーのやりとり)の観察に、大学ではカオス・数値計算の導入に使えます。自由研究なら、たとえば「ずれを0.1°・0.001°・0.00001°にしたとき、分かれるまでの時間はどう変わるか」を何回か調べて表にすると、ずれを100分の1にしても、分かれる時間はそれほど延びないことが分かります。
1本のときのふりこは、ふつうのふりこと同じですか?
はい。1本にすると、ふつうのふりこ(単振り子)になります。小さくゆらしたときの1往復の時間は 2π√(長さ÷重力の強さ) で、長さだけで決まります。ふりこのきまりをくわしく調べたいときは「ふりこ実験シミュレーター」もどうぞ。
3Dが表示されません。
このページはWebGLという仕組みで3Dを描いています。古いブラウザや、WebGLが切ってある端末では、かんたんな平面の図で表示します。ブラウザを最新にするか、別の端末でお試しください。