銅は赤みのある金属で、電気をよく通し、細い線に加工できます。電線や電気部品の材料として身近なところで働いています。ほかの金属と組み合わせた合金にも使われ、用途に合わせて性質を変えられます。
電線の中に銅がある理由
電線の外側を覆っているのは、電気を通しにくい被覆(ひふく)です。その内側に、電気を通す金属の線があります。よく使われる材料の一つが銅です。表面には赤みがあり、銀色の金属が多い中で見分けやすい色をしています。
銅は電気をよく通し、細い線に加工しやすい金属です。電線は、電気を通す部分と、周囲に触れないように包む部分で役割が違います。銅だけを見ても、被覆だけを見ても、電線全体の仕組みは分かりません。
電線の中に、銅がいる

外側:被覆内側:銅線
電気を通すのは内側の銅線。外側の被覆は、電気を通しにくい材料で銅線を包みます。動ける電子が、電気を運ぶ
金属の中には、物質全体を移動できる電子があります。電圧をかけると電子の動きに偏りができ、それが電流になります。銅線の中を、銅の粒が端から端まで流れていくわけではありません。
左の原子模型は、一つの原子の電子数を分かりやすくした図です。電線の仕組みを考えるときは、たくさんの原子が集まった金属の構造を見る必要があります。「原子一つの図」と「材料全体の図」は、説明しているものが違います。
銅:電子が移動する
金属の中の電子の動きを示した模式図混ぜると、別の材料になる
銅に亜鉛を加えた合金(ごうきん)が黄銅、一般に真鍮(しんちゅう)と呼ばれる材料です。銅とスズを主な成分とする合金は青銅と呼ばれます。合金では、組み合わせや割合によって硬さや加工のしやすさなどが変わります。
楽器や金具、電気部品など、材料に求められる性質は用途ごとに違います。元素を調べるときは、「何に含まれるか」に加えて「なぜ、その材料に選ばれるか」を考えると、身近な道具の見え方が変わります。