ケイ素は灰色の固体で、精製して半導体の材料に使われます。酸素と結びついた二酸化ケイ素は、石英や多くの材料に含まれます。自然の鉱物と電子回路をつなぐ、身近で重要な元素です。
石英とチップをつなぐ元素
石英(せきえい)は、二酸化ケイ素という化合物です。透明な水晶も石英の一種で、ケイ素と酸素が結びついた構造を持っています。一方、ケイ素の単体は灰色の固体で、石英と同じ見た目ではありません。
コンピューターのチップには、非常に純度の高いケイ素が使われます。石をそのまま削ってチップにしているわけではなく、原料からケイ素を取り出し、精製し、結晶を作り、回路を加工する多くの工程があります。
石にも、チップにも、ケイ素

石英ケイ素チップ
石英はケイ素と酸素を含む二酸化ケイ素。高純度のケイ素は、半導体のチップを作る材料になります。石英とケイ素は同じ物質ではありません。「少し混ぜる」が、電気の性質を変える
ケイ素は半導体と呼ばれる材料の一つです。電気の通しやすさは、温度や加える元素などによって変わります。電子部品では、ホウ素やリンなどを少量加え、電気的な性質を調整します。
そのように性質を調整した部分を組み合わせ、電気の流れを制御する仕組みがトランジスタです。チップには非常に多くの部品と配線が細かく作られています。ケイ素原子一つが計算するのではなく、材料から作った回路全体が働きます。
原料→精製したケイ素→結晶・回路の加工→チップ
工程を省略した概念図。石が直接チップになるわけではありません。砂・ガラス・ケイ素を区別する
砂は一つの物質の名前ではなく、小さな粒が集まったものです。場所によって含まれる鉱物は違います。石英を多く含む砂もありますが、すべての砂が純粋な二酸化ケイ素というわけではありません。
ガラスにも二酸化ケイ素を主な材料とするものがあります。ただし、普通のガラスにはほかの成分も含まれ、原子の並び方も石英の結晶と違います。同じ元素が含まれること、同じ化合物が主な材料であること、同じ物質であることは、それぞれ別の話です。