鉄は、建物や機械に使われる材料の中心になる金属です。身近な鉄製品の多くは、炭素などを加えた鋼という合金です。さび、合金、鉱石などを通して、元素と材料の違いを学べます。
鉄と鋼は、同じもの?
橋、建物、自転車などに使われる「鉄」は、多くの場合、鋼(はがね)などの合金です。鋼は鉄を主な成分とし、炭素などを含みます。純粋な鉄と、身近な鉄製品をそのまま同じ性質だと考えることはできません。
加える元素や割合、熱の加え方によって、硬さや粘り強さなどが変わります。硬ければどんな用途にもよいわけではなく、曲げやすさ、割れにくさ、加工のしやすさなど、必要な性質の組み合わせで材料が選ばれます。
同じ鉄を含んでも、材料は違う

鉄の釘さびた釘ステンレス鋼
さびは鉄が反応してできた別の物質。ステンレス鋼は鉄にクロムなどを加えた合金です。さびると、何が変わる?
湿った空気の中で鉄がさびると、表面に赤茶色の物質ができます。これは汚れが付いたというだけではなく、鉄が酸素や水の関わる反応によって、別の物質に変わる化学変化です。
鉄を守るには、塗装で周囲と隔てたり、ほかの金属で表面を覆ったり、合金の性質を利用したりする方法があります。ステンレス鋼では、含まれるクロムなどが作る薄い保護膜が耐食性に役立ちます。条件によってはステンレスも腐食するので、名前だけで万能だとは言えません。
鉄+酸素・水→さび(別の物質)
融けることとは違う、化学変化空から来た鉄も使われた
鉱石から鉄を取り出すには、鉄と酸素などの結びつきを変える工程が必要です。その技術が広く使われる前から、地上に落ちた隕石(いんせき)に含まれる金属の鉄を利用した例が知られています。
古い鉄製品に含まれるニッケルなどを調べることが、材料の由来を考える手がかりになります。物質の成分を調べる科学は、「これは何か」だけでなく、「どこから来て、どう作られたか」を知るためにも役立つのです。