使い方
- 残量を知りたいとき(計算A):スプールごとキッチンスケールで量り、その重さと空スプールの重さを入力します。差し引いた残りフィラメントの重さと、残り長さ(m)が表示されます。空スプールの重さがわからない場合は代表値の表から選べます。
- 1プリントのコストを知りたいとき(計算B):スライサーが表示する使用グラム数と印刷時間、フィラメントの購入価格(円/kg)を入力すると、材料費+電気代の合計が出ます。
- だいたいの長さを知りたいとき(早見表C):素材別に「10g=何m」がひと目でわかります。プリント前に「残り50gで足りるか」を見積もるときに便利です。
計算式:重さから長さを求める仕組み
フィラメントは断面が円の細長い円柱なので、重さ・長さ・密度は次の式で結ばれています。
重さ g = π × (d ÷ 2)² × L × ρ
d はフィラメント径(cm)、L は長さ(cm)、ρ は素材の密度(g/cm³)です。
これを長さについて解くと L = g ÷ (π × (d ÷ 2)² × ρ) になります。
たとえば PLA(密度1.24g/cm³)・径1.75mmの場合、断面積は π × 0.0875² ≒ 0.02405cm²。
残り530gなら体積は 530 ÷ 1.24 ≒ 427.4cm³ で、長さは 427.4 ÷ 0.02405 ≒ 17,770cm = 約177.7m と求められます。
1kgスプールまるごとなら約335mです(メーカーがよく表記する「1kg=約330m」とほぼ一致します)。
素材別の密度と1kgあたりの長さ
密度はカタログ上の代表値で、同じPLAでもシルク系・マット系・カーボン配合などで変わります。
メーカーがデータシートで密度を公表している場合は、計算Aの密度欄を書き換えるとより正確になります。
空スプール重量の調べ方
残量計算の精度は「空スプールの重さ」で決まります。確実な順に、次の3つの方法があります。
- 使い切ったスプールを実測する:いちばん正確です。キッチンスケール(0.1g〜1g単位で十分)で量り、メーカー・銘柄ごとにメモしておきましょう。
- 新品のうちに逆算する:買ってすぐスプール込みの総重量を量り、「総重量 − 正味重量(1kgなど)」で空スプールの重さがわかります。
- メーカー公表値・代表値を使う:Bambu Lab純正のプラスチックスプールは約250g、リフィル用の紙スプールは約145g、一般的なプラスチックスプールは200〜250gが目安です。ただしメーカー・ロットにより異なるため、あくまで概算として使ってください。
コスト計算の考え方
1プリントの実費は「材料費」と「電気代」の合計で見積もれます。
材料費 = 使用グラム数 × フィラメント価格(円/kg) ÷ 1000
電気代 = 印刷時間(h) × 消費電力(kW) × 電気単価(円/kWh)
使用グラム数と印刷時間は、スライサー(Bambu Studio・PrusaSlicer・Curaなど)がスライス後に表示する見積もり値をそのまま使えます。
電気単価の初期値31円/kWhは全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価です。
消費電力はヒートベッドの加熱状況で大きく変動するため、正確に知りたい場合はワットチェッカーでの実測がおすすめです。
なお、失敗プリントやサポート材、ノズル・ビルドプレートなどの消耗品まで含めると実質コストはもう少し高くなります。